2025年4月。新天地である銀座エリアにセブンバイセブンが誕生しました。
確立した世界観を持つセブンバイセブンが、この地でどんな『拡張』を見せるのか。
デザイナーの川上の声を通じて、その片鱗をお届けします。

「出店のお声がけをいただいてからオープンまで約6ヶ月。準備期間としては短くはありましたが、きちんとブランドの世界観は表現できたかと思っています」

「銀座という土地で新しいことをしようということではなく、代々木上原の旗艦店の世界観をそのまま銀座に持ってくるのが面白いのではないかというところからスタートしています。銀座シックスは非常に洗練された館ですが、そこにあえて古着のセレクトもミックスすることで新しい、そしていい意味でのノイズが生まれる。面白い挑戦だったと思います」

「とはいえ、商業施設という性格上、できることとできないことはやっぱりある。その中でどこまで、そしてどうやって表現できるかということを模索する作業でした」
スタイリングに近い感覚
だったかもしれない
「ウッド、真鍮、スチール。この3つを基本素材に構築しているのが特徴です。このグレーの外壁。塗装された壁だと思う人も多いのですが、実はスチールなんです。今はまだ綺麗な状態ですが、経年変化により徐々に錆びてくる。時間の経過とともに成長していく作りになっています」


「ラックはウッドと真鍮を組み合わせて設計しました。ウッドの間に真鍮を挟み込むなど、さりげないけど実は手の込んだ意匠を取り入れています。ショップ中央にアンティークのデスクを配置していますが、その上に大理石のプレートを置いてあるのもポイント。異素材を組み合わせることで漂うちょっとした違和感を意識して組み合わせています」

「壁面には、代々木上原のお店と同様にアーチ状の造形を採用。これはサンフランシスコの古い建築に多くみられる造作で、ブランドのキャラクターを演出する上でも重要なデザインのひとつです。またショップの一角にはドアを設置していますが、これもサンフランシスコの街角をイメージしたもの。ヴィンテージのドアを探し、それを塗装しなおして使っています」


「床はコンクリートの打ちっぱなしですが、少し暗く落ちるようウレタン塗装を施しています。そうすることで少し重心が低くなって、品が生まれる。そこはこの銀座という土地柄を意識したポイントですね」

変化して、進化していく
「事前に綿密な設計図や計画があるというより、作りながら組み立てていくのが僕の服づくり。ショップデザインも同様です。『イメージ通りに完成する』という感覚はあまりなくて、完成した後もさらにそこからどう強めていけるかを考えてしまいます」

「例えば、フィッティングルームの横の壁を外壁と同じグレーにしたらさらに締まるんじゃないかとか、ハンガーもウッドと真鍮に変化させてもいいんじゃないかとか。それは足りなかったことを補うということじゃなく、今よりもっと強めることができるかもしれないという可能性の模索です」

「タペストリーやオブジェ、照明など、店内にある雑貨類には、僕が長年集め続けてきたものも多く持ち込んでいます。アンティーク、ヴィンテージ、現代作家のもの、ジョークアイテム etc.。いろんなものをスタイリングした、セブンバイセブンのエッセンシャルな要素がたくさん詰まった空間になっていると思います」
「何かの元ネタ的なものから、僕の大好きなしょっぱいものまで古着のセレクトも必見。変化して、進化していく新しいセブンバイセブンのショップにご期待ください」