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MYTHINKS × SEVEN BY SEVEN
COLLABORATION
COLLECTION

吉光ノブと川上淳也の特別対談

MYTHINKS × SEVEN BY SEVEN COLLABORATION  COLLECTION
2024.03.22

代々木上原の旗艦店、伊勢丹新宿店、オンラインストア限定で、MYTHINKSとSEVEN BY SEVENのコラボコレクションの発売が決定。それを記念した二人の対談が実現しました。二人の出会い、アメリカでの逸話、お互いの評価、そして今回のコラボコレクションについて、貴重なお話を伺いました。

MYTHINKS
日本のファッションカルチャーの礎を築いたセレクトショップにて、長きに渡りバイヤーを務めてきた吉光ノブ氏が2017年にスタートさせたブランド。ビンテージ収集に明け暮れた80年代の経験を活かし、記憶に残るアイテム、素材、色やユニークなディテールを再構築。緻密なアップデート作業を経て、クローゼットの1軍としてふさわしいワードローブを提案する。

日本のファッションがまだ今ほど豊かではなかった時代に、その文化の発展に大きく寄与したセレクトショップがあります。そのショップを長きにわたり支え続け、30年勤め上げたのが吉光ノブさん。日本のファッションの変遷を見続けてきた人物です。

川上淳也との出会いは、SEVEN BY SEVENがまだ始まる前。当時、川上が勤めていたショールームにバイヤーだった吉光さんが訪れたのが二人のストーリーの始まりでした。

 

 

吉光:俺が川上くんを初めて認識したのは、彼がとあるショールームに勤めてた頃。俺が行ったとき、確か外壁のペンキ塗りかなんかしてたんだよね。オーバーオール着て。


川上:僕はただのアシスタントとしてそこに勤めてたんですよね。ほんと、淡々と接客してただけというか。

吉光:最初はその程度だった。

川上:でも僕はアメリカにいた頃から吉光さんのことは知っていましたよ。日本に帰った時は大体、吉光さんが働いていたショップに行ってたんですけど、店内は人でぱんぱんなのにいつも1箇所だけ空間ができているところがあった。それが白装束でバキバキに決めた吉光さんの周りでした。あの時の存在感はヤバかった。誰も近寄れない空気感でしたよ(笑)。

吉光:当時はその格好で、裸足で、流木に弁当引っ掛けて東横線乗ってたからね。電車でも俺の周りだけ人がいなかった(笑)。そういうのがまだ許される時代だったんですよ。

川上:もちろんアメリカでも存在感は抜群。まだ日本人のプライオリティがそこまで高くない当時のアメリカの古着マーケットにおいて、完全に別格。吉光さんたちのチームが来るってなったら、みんなざわついて恐縮してましたもんね。

吉光:ちょっと大袈裟だけどね。まあ、ちゃんとビジネスしてたから肩は並べていたかもしれない。

川上:いやほんと、特別な存在でした。

 

 

一方、吉光さんが川上淳也をきちんと認識したのは、川上が古着を販売するショップのディレクションをしていた頃。

吉光:ショールームで面識のあった川上くんがショップを立ち上げたって聞いて、お店に遊びに行き始めたのが今のような付き合いの始まりかな。

川上:すぐきてくださいましたよね。

吉光:並んでいる古着から俺がピックアップして『これいいね』っていうと、いつも『しょっぱいのピックしますね』って(笑)。ほんとよく『しょっぱい』って言ってたよね。

川上:だってしょっぱいの選ぶんですもん(笑)。

吉光:いや、でもセレクト最高だと思ってたよ。だから俺もよく通ったし、海外のお客さんがきたときは、必ず連れて行ってたもんね。

 

 

『しょっぱい』セレクトは二人の中では共通言語のよう。実際どんな意味があるのか、どんなニュアンスで受け止めているのか、吉光さんに聞いてみました。

吉光:例えば80年代とか90年代の古着っていう大きいマーケットの中の産物を見たときに、当時の人たちが頑張って作ったものがあったとする。当時は全然受け入れられなかったんだけど、今になってすごく懐かしかったりとか面白く感じられるものってあるでしょ。そういうストーリーが見えてくるようなものが、俺にとっての『しょっぱい』かな。

僕と川上くんは世代は違っても、見てきたものとか経験してきたものは似てるっていうか、そういうところがあって。さらにいうと大きな古着というマーケットの中で、すでに付加価値のついたいわゆるヴィンテージにはあまり興味がないんだよね。もちろん知識はあるけどね。

例えばビッグブランドでも一緒。カタログの最初の方にあるものではなく、最後のページにちょこっとだけ出てくる、だけどなんだかおもしろそうなもの。それに惹かれちゃうっていうね。

 

 

川上:全然時代にフィットしてないんだけど、光るものがあるみたいな。

吉光:人の集まりでもさ、大体1人ぐらい不良みたいなやついるじゃん。ポンコツ感って言い換えてもいいや(笑)。でもそいつが一生懸命、本気で作ったものって結構おもしろかったりするんだよね。アートなのか、映画なのか、音楽なのか、どこから引っ張ってきたのかわかんないけど、本気度は伝わってくるような。そういうのが好きなんだよね。

川上:もしかして僕のこと言ってます?(笑)

吉光:言ってる(笑)。まあそれは冗談としても、でもその感覚って実際にその土地に住んでいた奴ならではだと俺は思うんだよね。”アメリカの文化に感化された人”ではなく、”ローカル=住んでいる人”の感覚。それくらい密着したフィーリングだと思います。

 

 

そして時を経て、お互いのブランドでのコラボレーションが実現。その経緯について改めてお話を伺いました。

川上:展示会にお邪魔させていただいて、改めてMYTHINKSの格好良さを実感したんです。加えてSEVEN BY SEVENの旗艦店がオープンするタイミングだったし、伊勢丹でのポップアップも予定していたタイミングだったので、これはもうコラボしてもらうしかないと。直感ですね。

吉光:それで、MYTHINKSでブルーデニムしかやってないアイテムをブラックにして展開しようかって話になったんだよね。

川上:それで既存のコレクションから6アイテムピックアップして、ブラックデニムで表現してもらいました。

 

 

 

 

MYTHINKS × SEVEN BY SEVEN
COLLABORATION COLLECTION

western shirt
自分がウエスタンシャツをよく着ていたころ”16ハーフのロング”というサイズを好んで買っていたんです。それは背の高い人のためのロングテールのシルエットなんだけど、それを今のフィーリングで着たらおもしろいんじゃないかと思って作ったのがこれ。ポケットに手を入れた時のサイドのたまり方がゴージャスだったり、自転車に乗った時に後ろではためく様子が素敵だったり。着てみて、過ごしてみるとその良さがよりわかる仕上がりになっています。

 

 

soft denim work jacket
オーガニックコットンを用いて作った、ソフトデニムのカバーオール。SEVEN BY SEVENでは無染色のコットンのアイテムなんかも展開しているので、こういうアイテムも相性がいいかと思ってラインナップに加えました。太い番手の糸を甘く織っているのが特徴で、ふっくらと優しい質感が新しいデニムの提案。カバーオールって、いわゆる昔のトレイルジャケットにも通じるものがあると思うのですが、そんなラギッドなものを大人っぽく落とし込んだイメージです。

 

 

soft denim painter pants
これは同じ素材のペインターパンツ。自分が好きなとてもベーシックなシルエットです。と言ってももちろん僕なりにバランスを整えていて、万人におさまる形になっている。ふとショーウィンドウに映る自分の姿を見た時に『ああ、なんかちょっといいじゃん』って少しだけテンションが上がることがあるでしょ。その、大体3%ぐらい気分が上がるところを僕は大事にしていて、それを落とし込んだデザインになっています。

 

 

jeans
ヴィンテージのジーンズを見ている中で『この色落ちがいい』とか『このエイジングが好き』とかそれぞれ好みがあるじゃないですか。その点、僕は60年代頃のラングラーのブルージーンズが好きで、そのブラックバージョンが作りたいと思って作ったのがこれ。今でこそブラックジーンズはインラインでも展開されていますが、当時のラングラーにはなかった。つまりヴィンテージでラングラーのブラックジーンズってほとんどないんですね。それがもしあったなら、というイメージで出来上がったのがこれ。再現性を求めてかなり細部にこだわりました。

 

 

Oxford shirt
古き良き時代のアトリエ着(作業着)をイメージしたシャツは、ヴィンテージオックスフォードという厚手のオックス素材を使用。所作に雰囲気が出るようにサイズ感を構築しています。 例えば、作業の邪魔にならないようにカフスを細くする反面、脇や背中に少しゆとりを残していたり。袖を通して、ぜひカメラのシャッターを切る仕草をしてみてください。背中や佇まいに巨匠感が出ますから(笑)。

 

 

Oxford pants
同じ素材のパンツ。ブラックっていうより炭黒に近いニュアンスで、このヴィンテージオックスフォード生地でパンツっていうのがおもしろい。このセットアップさえあればいろんなシーンに対応できると思います。着込んだ時のエイジングの表情もおもしろいと思います。

 

 

吉光:川上淳也という人間は表現者だと俺は思っているんだけど、俺がMYTHINKSでやっていることは表現ではなく再構築。『しょっぱさ』理解した上で、自分の中でイエス&ノーを繰り返しながら、ちょうどいいあんばいを提案するところにあると思っています。そういった意味でも、このブラックの別注シリーズはすごくいい提案になるんじゃないかと期待しています。

 

 

 

MYTHINKS
× SEVEN BY SEVEN

初コラボレーションアイテムを
限定発売 !!

SEVEN BY SEVENが、MYTHINKSと初めてコラボレーションしたアイテムをリリースします。MYTHINKSの既存のコレクションよりピックアップした6アイテムをブラックデニムで表現。3月22日(金)より、SEVEN BY SEVEN 直営店、 ONLINE STOREにて限定発売。お見逃しなく。

 

Edit,Photo,Text_Jun Namekata[The VOICE]

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